米騒動・大戦後デモクラシー100周年研究会(第1回)から、富山米騒動について思う
長らく放置していましたが、米騒動・大戦後デモクラシー100周年研究会(第1回)のご案内(第1報)、というブログ記事を拝見し、一言書くことにしました。
それを見ると、「1917年から急増していることが、最近指摘されています。したがって米産地である移出地帯の富山県の18年夏の移出反対を米騒動のはじまりとして来たのは根拠がなく、事実は大消費(移入)地帯である鉱工業地帯・大都市で一年も前から始まっていたことになります。」とあります。
これは、1918年(大正9年)の米騒動は、富山県の東部沿岸地帯から始まった、というこれまでの定説とは異なる見解となります。
まだ詳しいことはわかりませんが、とても興味深い研究会のようなので、リンクして、ひとまずのお知らせといたします。
=====
<主旨>
第一次大戦末の米騒動、朝鮮の三・一独立運動、中国の五・四運動の100周年が近づいています。実質米価率(米価上昇率を賃金上昇率で割ったもの)の急騰、それに応ずる鉱工業地帯での賃上げ騒擾(争議・暴動)、大都市での消費者運動が1917年端境期はざかいきから急増していることが、最近指摘されています。したがって米産地である移出地帯の富山県の18年夏の移出反対を米騒動のはじまりとして来たのは根拠がなく、事実は大消費(移入)地帯である鉱工業地帯・大都市で一年も前から始まっていたことになります。そしてそのトップをきるのが筑豊炭田、例えば福岡炭坑の暴動(17年8月)です。したがって北九州は米騒動の始動地でもあったわけで、そこから関門・広島湾にかけてのシベリア出兵の乗船地帯で米騒動が最も激化し、多くの炭坑労働者の生命の犠牲の上に、寺内内閣が倒され大戦後デモクラシーの扉が開かれたことは大きな意義をもつものです。100周年研究会をこの地域から始めさせて頂く所以です。こぞってご参集下さることを期待しております。
<主催>
米騒動史研究会 九州歴史科学研究会
<日程と会場>
2017年10月7~9日(10月7日12時開場、13時開会)
北九州市立大学北方キャンパス(福岡県北九州市小倉南区北方4-2-1)
<報告・講演(一部題目は仮題)>
・開会あいさつ 九州歴史科学研究会 森丈夫
・米騒動百周年と研究における新局面 井本三夫(米騒動史研究会)
・近代における北九州労働者の社会的・経済的特質 土井徹平(北九州市立大学)
・東アジアの大戦後デモクラシー(五・四運動期中国・東南アジア・シベリア・日本国内など)
各氏分担
・ 閉会の挨拶 北九州市立大学 堀地明
他にもご発表を依頼中です。